女子たちの視線があたしをつき刺す。





ダメだ……。

あの約束を守らなきゃ陣が!





あたしは意を固めると陣の方を向く。





「あの…でもあたし…めちゃくちゃ時間かかるから」



「どのくらい?」



「い…1時間以上!」



「はあ?」







陣はあからさまに顔を歪める。






「ごめんなさい本当に!…だから先に帰って?」


「……………」







ギュッと目をつむるあたしに陣はひとつため息をつくと、おもむろにガタッと席から立ち上がる。






「わかった。俺も集まりあるしそこまでは待てねぇよ」



「……うん」



「じゃーな」







陣はあたしの頭にポンと手を乗せると帰っていった。



その背中を見つめながら、あたしは涙を必死に飲み込んだ。