その背中が見えなくなり、あたしはレナちゃんの肩に触れる。





「レナちゃん…?陣たちいなくなったよ?」


「は…はい…すみません」





レナちゃんはゆっくりあたしから離れる。


その頬は真っ赤に染まっていた。






「未唯ちゃん……伊勢谷先輩のお知り合いだったんですか?」



「え?お知り合いって言うか……レナちゃんに話してなかったっけ?」





レナちゃんは乱れた髪をまだ赤い耳にかけながら恥ずかしそうにコクンと頷く。





「びっくりしました…伊勢谷先輩の名前は知ってたんですけど。あんなにカッコいいなんて」



「え?」



「それにすごく優しい…噂では怖いお方だと聞いていたのに」



「レナちゃん…?」



「実はこの高校に来るって決まった時から少し意識してたんです……伊勢谷先輩のこと」





レナちゃんの顔はまるで恋する女の子だ。