「今回も犬かもしれないしね、気にしないのが一番だよ」


「姉御って……やっぱすげぇっすね」





へらへら笑うあたしにタツも驚いたような呆れたような顔で笑う。





「でも何かあればすぐに俺たちに相談してくださいね」


「うん、わかった!」






タツは優しく微笑む。




「色々あったけど姉御と陣さんが幸せそうで良かったっす」






タツはそう言うと教室へ戻って行った。





タツ…やっぱりめちゃくちゃ良いやつだなぁ。



タツもなんだかんだ最初は超怖かったのに、今では良き相談相手になってる。


あたし……本当に良い人たちに巡り会えたな。


怖いくらいに幸せだ。
















この時のあたしはまだ知らなかった。


この幸せに怪しい影が忍び寄っていることを――…