続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~

佐和先輩はあたしから目を離すと、葛西レオの方に向かって静かに足を進める。




「そんなナイフで僕を脅しているつもり?」


「なんだと?」


「だとしたら笑っちゃうね」





コツ、コツ、と月明かりの中、佐和先輩の靴音がゆっくり響く。




「な…んだてめ」


ナイフの脅しをものともせず、自分に向かってくる佐和先輩に葛西レオは後ずさりする。





次の瞬間


驚くほど一瞬で、葛西レオとの間合いをつめた佐和先輩は、そのまま流れるような動きで葛西レオの手から刃物を奪い、


逆に刃先を葛西レオの鼻筋に突きつける。





「「「!!!」」」


「ナイフで僕の優位に立ったつもりなら、それは大きな間違いだね」




あまりに一瞬の出来事で、あたしは目を見開く。


葛西レオも気付けば自分が刃先を突きつけられた状況に、目を見開いたまま固まる。






「悪いけどナイフの扱いは僕、得意なんだ」