続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~

葛西レオに命令されているのに、佐和先輩はなにも反応しない。







さ、佐和先輩?


あたしは佐和先輩の顔をちらりと見る。




なんで……?

どうして動かないの?

一刻も早く陣を助けたいのに…

勝ち負けも誓約書もどうでもいい。

早くこの闘いを終わらせようよ…!





なのに佐和先輩はやはり微動だにせず、ただじっと葛西レオを見据える。







「……なんだぁ?さっさとしろや」


葛西レオも苛立ち始める。





「危機感が足りねーならこのハゲも刺すぜ?!」


葛西レオはその言葉が本気だと示すように
刃先をぐっとタツに近づける。



「さっさとしろや!」






葛西レオの一段と大きな怒鳴り声に、あたしはビクッとして思わず佐和先輩の腕を掴む。



「佐和先輩!どうしたんですか?!このままじゃ陣だけじゃなくてタツまで……!」





だけど佐和先輩はそんなあたしの手を自分の腕から離させると、いつものように静かに微笑む。





「大丈夫だよ、未唯ちゃん」


「佐和……先輩?」


「弱い犬ほどよく吠えてうるさいんだよね」


「え……?」