続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~

「いい心がけだな、伊勢谷陣。そのまま動くなよ?」





葛西レオはあたしの首を絞める腕の力をいったん弱めると、周りのヤンキーたちに手でなにか指示をする。


それを合図に複数のヤンキーが鉄パイプを持ち、ぞろぞろと陣を囲むように立つ。






「いいか伊勢谷陣、動くとこの女をヤるからな?」


「ッ……」






陣は奥歯をギリっと噛みながら葛西レオをにらむ。


あたしの目の前で今から何が起きようとしているのか、喧嘩なんて無縁のあたしでもわかった。






「やめて……お願い……」





あたしは震える声で葛西レオに懇願してみる。





「こんなことして……何になるの……?」





だけどあたしの願いもむなしく、葛西レオはヤンキー達にもう一度合図を送る。









「ヤれ」










――――バシッ!


それと同時に、ヤンキーたちの持つパイプ棒が一斉に陣に降りかかる。








「きゃぁぁぁ―――!」






あたしは思わず両手で口元を押さえた。


陣はその場にうずくまった。