続★キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~

その時







「それ以上そいつに何かしたら、お前ら全員ぶっ殺す」








あたしの背後からそんな声がして、ヤンキーたちの動きが止まった。





……え?

あたしが恐る恐る目を開けると、葛西レオも周りのヤンキーたちも、あたしの背後を見ている。






「お前が用あんのは俺だろ?そいつは関係ねぇだろ」






両腕を抑えられたままだから、あたしに後ろは見えない。


だけど、聞きなれたその陣の声に、あたしは涙がこぼれそうになる。






「陣……助けに来てくれたの……?」


「当たり前だろ。遅くなって悪かったな」







顔は見えないけど、陣がそこにいる。

それだけであたしの胸は熱く震えた。







「ごめ…なさ……あたし……」





陣に行く必要ないって言われていたのに。


レナちゃんの言葉を信じて、のこのここんな場所へやってきて、人質になってしまった。







「いいよ。お前の行動は予想してた」


「陣……うぅ……」


「でも後でまたお仕置きだな。次は寸止めになんてしないから覚悟しとけよ」


「っ……」







こんな絶体絶命の時なのに、いつものように優しい陣のその声に、あたしはついに涙がこぼれる。