その日の帰り道



高校から少し離れた位置で
またあの転校生の女が俺を待って立っていた。



また…というのは
ここ最近、毎日こうやって待ち伏せされてるから。






電柱のところで立っていた女は、俺を見付けると駆け寄ってくる。








「消えろ」




吐き捨てる俺に
女は一瞬足を止めるも、ひるまない。






「いきなりひどいです…ただ帰り道が同じだけなのに」


「お前うぜぇ」


「お前じゃなくてレナです」


「黙れ」






女はシュンとしつつも俺の一歩後ろをついて歩きだす。





「伊勢谷さんに言われた通り裏道には近づいてません」

「…………」

「腕のギプス…早く取れるといいですね」







1人で喋る女に俺はシカトで歩き続ける。






「あとちょっとでギプス取れるんですよね?」

「…………」

「あ、これは未唯ちゃんに聞いたんですよ」