けど柚希は・・・来なかった。
もう退院して4日目だというのになかなか学校に出てこない。
最初はみんな退院したすぐ後は学校に来るのもしんどいんじゃないかと思い納得していた。
けどさすがに4日も立てばみんなどうしたんだろう、何で来ないんだろうと心配しだす。
学校にはまだ調子が悪いからという理由で休んでいるらしい。
部活メンバーもみんな柚希が来るのを待っていたのになかなか来ないから若干あきらめモードに入ってきている。
「柚希さん、もう学校に来ないんですかね~・・・」
肘をつきながらプリッツを食べる風花に、
「まだ体調悪いんじゃない?」
とお茶を飲みながら雑誌をめくる哉斗。
「大丈夫かしら?
家にお見舞いに行った方がいいの?」
机の上に手を組みながら心配そうに眉を下げる綾音さんに、
「あまりお見舞いに行きすぎると返って不満になりますよ。
今はそっとしておいた方がいいんじゃないですか・・・?」
ゲーム画面からちゃんと目を離して答える大地くん。
「私、柚希ちゃんの役に立てることないんですかね・・・」
お茶が入ったカップを持って悩む真理奈。
そして。
「俺今日、柚希の家に行ってくる」
椅子から立ち上がって行動しようとする俺。
「え、今日ですか!?」
みんな突然のことで驚いていた。
「あぁ、こんな悩んだって時間の無駄になる。
本当に体調不良ならこのまま黙って待つけど、他に訳があるんならそれを解決してさっさと学校に来さす」
「でもそんな無茶なやり方で本当に柚希ちゃんが来るのかしら・・・?」
「ありえないと思うんですけど・・・もしかしたら拒絶されるかもしれませんよ?」
心配そうに見上げる綾音さんと風花の気持ちは十分に理解できた。
確かに俺なんかが柚希の悩みを解決できるとは思ってない。
最悪な場合、俺は柚希に拒絶されてしまうかもしれない。
けど、このまま悩んでたってなにも始まらない。
拒絶されても避けられてもいい。
俺は柚希に会いに行く。
今そう決めた。