「え、俺のもあんの?」


「あぁ、どうせみんなに配ろうと思ってたしな」


「でも、空くんのがないんじゃ・・・」


「心配すんな。俺のもちゃんと買ってある」


「あ、そうなんだ。なら良かった」


みんなでお土産を開け、旅行の話などをして盛り上がった。


そして久しぶりにみんな集まったんだからと、みんなでご飯を食べに行くことになった。







「はー、うまかったー」


「こうしてみんなで食べるのもいいものね」


「お腹がいっぱいでしんどいです・・・」


「風花ちゃんも柚希ちゃんもたくさん食べてましたね」


「うん、すっごくおいしかった!」


「またみんなで来ましょうね!」


「で、ここで解散でいいか?」


ご飯を食べ終わって外に出るとすっかり暗くなっていた。


「そうだね。
じゃあ今日はこれで解さ・・・」


そう言いかけた時、ケータイの着信音がした。


「あ、ごめん、私だ」


ポケットからケータイを出し電話に出る柚希。


最後まで解散と言われてない俺たちは、このまま帰っていいのかもわからず、仕方がなく柚希の電話が終わるのを待った。


すぐ終わるだろうと、思っていたのもつかの間。


柚希は突然目を見開き口を開けたまま固まってしまった。


かと思うと、今度は呼吸困難になったみたいにぜぇぜぇと肩で息をしながら震えている。


何が起こっているのか俺たちには全くわからなかった。


ただわかったことは。


「なんで・・・お母さんがっ・・・!」


電話の相手は『お母さん』だということ。


数分と立たない内に柚希は電話を切り、怯えた目で俺を見た。


どうしようもできない俺はただただ柚希を見つめ返すことしかできなかった。


そして柚希は膝から崩れるようにして意識を失った。