「いやー、人数分の掟考えるのに疲れて、肩がこっちゃったよー」


「いやいや、待て!
肩よりこっちだ!
最後の何だよ!?」


「え、何って?
下の名前で呼ぶってだけじゃん」


「だからそれおかしいって!
別に苗字でもいいだろ!?」


「ノン、ノン、ノン。
わかってないね~、空くんは。
苗字なんて他人行儀みたいでしょ?」


そうか…?


「だから下の名前なの。
て言っても、苗字で呼んでるのって、空くんと一部大地くんだけだよ?」


何だよ、一部って。


「大地くんは真理奈ちゃん以外みんな下の名前で呼んでるからね。
それに比べて空くんは…。
私以外みんな苗字じゃない!」


「え、当たり前だろ!?」


だってお互い知り合ってまだ1ヶ月も経ってないんだぞ?


そんな親しく下の名前で呼べる訳が…。


まぁ、柚希の場合は例外だ。


「てことで、今からみんな下の名前で呼ぶこと!」


「くっ…」


下の名前って言っても何て呼べばいいんだ…。


「あ、空くん」


「はい…?」


「私のことは綾音さんって呼んでね。
みんなからそう呼ばれてるの」


「綾音さん…。
わかりました」


綾音さんか。


そうか、みんなに何て呼べばいいのか聞けばいいんだ!