なんて思ってたのもあっという間で


「おーい、並べー」


今日から東京にいきます!


「じゃ、いってきますと家族に言ってからバスに乗りましょう」


『いってきます!』


朝早くから空港までバスに乗り、出発。


窓から外を見ると、それぞれの親が手を振ってバスを見送っていた。


「木村班いるかー」


「全員います」


「吉田班ー」


「そろってます」


「後藤班ー」


「大丈夫です」


「神田班ー」


「完璧です!」


「よし、全員そろってるなー」


「こうして俺たちは東京へ向けて長い旅を続けていくのだった」


「何で過去形なんだよ?」


「だってその方が続きが気になるでしょ?」


そうか?


後ろに乗っていた柚希が前に座っている俺たちの椅子の上でそう言った。


朝6時過ぎだというのに相変わらず元気なことで。


「俺眠いから寝るわ」


「えぇ、空港まで起きとかないの?」


「お前みたいにそんな体力残ってないんだよ」


俺は窓際ということもあり、窓に頭を預けてギャーギャー騒がしい中眠りに落ちた。