「さて、何からする?
それともまず何か食べる?」
みんなの方を向いて聞く。
「俺腹減った~」
「僕は射的・・・」
「あ、あたし金魚すくいしたいです!」
「私は何でも・・・」
「じゃあ私はヨーヨー釣りでもしようかしら」
みんな意見がばらばらだった。
「えぇ~、でもみんなで一個ずつ回ってたら花火までの時間がなくなっちゃうし・・・
どうしよう」
柚希は困ったように口元に手を添えて考えていた。
「・・・後で合流するってのは?」
「あっそれいいかも!」
俺の提案に賛成したのは哉斗。
「あたしもそれがいいと思います!」
風花も手を挙げて賛成する。
「ん~、みんなもそれでいい?」
『賛成~』
ということで、花火が始まる五分前までには入口の鳥居の場所に集合することになった。
それぞれ自分のしたい、食べたい屋台の元へ向かう。
「俺は・・・どうしよっかな」
特にお腹が空いてる訳でもないし、何かやりたいことがある訳でもない。
・・・これじゃただたんに花火を見に来たってだけだな。
ま、屋台を巡りながらみんなの様子でも見て回ろう。
一人取り残された俺は、まず一番近い大地くんが向かった射的屋に行くことにした。