そしてまた宿題にとりかかる。


また静かな沈黙が続いていた。


「・・・・」


はぁ、結構進んだな。


この時点で半分ぐらいまでいったんじゃないのか?


そう思いながらぱらぱらとめくって確認していく。


そんな時、柚希が口を開いた。


「ねぇ、空くん」


「ん?」


「今日・・・誰か他にも来ると思ってた?」


「え・・・?」


その言葉で俺の手が止まる。


さっきまで動かし続けたいた柚希の手も止まっていた。


「・・・いや、俺だけだと思ってた」


「・・・・」


これはウソじゃない。


理由は、あの図書館に集まった時、みんな後半からだいたい予定が空いていた。


今日はまだ夏休みの前半。


だったらいつでも予定が空いてる俺しか誘う人はいないはず。


て訳で、俺は今日どうせ柚希と二人だけだと思っていた。


そう柚希に簡単に説明すると、小さく笑った。


「さすがだね。
うん、今日は私と空くんだけだよ」


笑いながら言う柚希は、テーブルから身を乗り出し俺に近づいた。


「”二人っきり”、なんだよ?」


意味深いように”二人っきり”の部分の言葉を強調する。


「いや、確かにこの部屋には二人っきりかもしれねぇけど、家の中には家族の人いるんだろ?」


変に俺も二人っきりということで同様してしまう。


「家の人、今は買い物に行っててみんないないんだ・・・」


「・・・!」


てことは、ホントにこの家の中で二人っきり・・・。


ドクンッと変な緊張感が走る。


沈黙の時とはまた違う緊張感。


どうすればいいんだ、俺。


これってもう帰った方がいいのか・・・?


「お、俺そろそろ・・・」


帰ろうとして立ち上がると、柚希もすばやく立ち上がった。


「まっ!?」


部屋から出ようとする俺を追いかけようとしてか、柚希はテーブルに足を引っ掛けてつまずいた。


その反動で俺にのしかかってくる。


いきなりのことで、受け止められずに俺も倒れてしまった。


「いっつ・・・」


頭を軽く打つ。


「うっ・・・」


俺の上で小さなうめき声を上げた柚希を確認する。


「・・・大丈夫か?」


「う、うん。
ごめんね・・・」


おれの上で小さく謝る柚希は、すぐに俺から離れようとしたが一瞬止まって、俺をギュッと抱きしめてきた。


「お、おい・・・!?」


「ごめん、今だけでいいからすこしの間こうさせてて・・・」


・・・えぇ!?