「ふぁ~」


結局起きたのは昼ちょっと過ぎ。


「ふふふ、よく寝てたわね」


下に降りると、食器を洗っていた綾音さんに声をかけられた。


「あ、おはようございます・・・」


「おはよう。
真理奈ちゃん探したからなのかしら?
ずいぶん疲れてたみたいね」


口元に手を添えて笑う綾音さん。


「いえ、そこまで疲れてたってわけじゃないんですけど・・・」


どちらかと言えば、途中で起きたのが原因だろう。


「お昼ごはん、食べる?」


「はい、すいません」


「じゃあ今からちょっと準備するから座って待ってて」


「あ、俺手伝いますよ」


「いいの。
空くんは座ってて」


「はい・・・」


綾音さんに言い切られて、俺は大人しく椅子に座った。


キョロキョロと周りを見る。


そういえばみんなの姿が見当たらない・・・。


「綾音さん、みんなは?」


「みんなは海に行ったわよ?
私は空くんが起きてくるまで留守番してたの」


にっこりとほほ笑みながらご飯を準備していく。


「そうだったんですか!?
すいません、迷惑かけちゃって・・・」


「ふふふ、いいのよ。
柚希ちゃんも留守番するって言ってたんだけど、中々空くん起きてこないからってしびれを切らして今さっき出て行っちゃったのよ・・・」


「そうなんですか・・・」


柚希も待ってくれてたのか。


絶対一番遊びたいのは柚希のはずなのに・・・。


悪いことしたな・・・。


「はい、空くん。
お待たせ」


「ありがとうございます」


目の前に置かれたチャーハンをすくって口の中に運ぶ。


後で柚希に謝っとこう。


そう思いつつ、お皿の中のチャーハンを間食した。