「真理奈ちゃん!」


俺たちは無事、みんなのいる別荘にたどり着いた。


真理奈の元に半泣きの風花がかけよる。


「すごく心配したんですよ!?
無事で良かったです…。
後空くんも」


ついでみたいな言い様だな。


「あ…」


「ん?」


風花と真理奈の後ろに視線を向ける。


そこには両手で胸の前で懐中電灯を持った柚希がいた。


「柚希、悪い。
途中で置いて行って…」


柚希のいる場所に近づいていき、謝る。


真理奈を見つけた後、少し後悔した。


柚希はプライドのせいかは知らないが、みんなには怖がりなことを隠してる。


それなのに、何も知らない哉斗にたくしてもよかったのだろうかと、心配になっていた。


けどこうして、目の前に柚希がいるということはなんとか大丈夫だったのだろう。


「俺だけにお前の秘密言ってくれたのに、哉斗にたくして置いてっちまった。
ホント、ごめん」


「…いいよ。
気にしないで。
そりゃ、誰だって友達がいきなりいなくなったら走り出しちゃうよ」


「柚希…」


「私だって一緒に探したかった。
けど、ダメだね。
私部長なのに怖くて何もできなかったとか…情けないよ…」

あの時と同じように眉を下げて小さく笑う柚希。


けど、あの時とは違ってすごく悲しそうだった。


「まぁ、真理奈ちゃん見つかって良かったよ。
お疲れ様、空くん 」


それだけ言って、俺の肩をポンッと叩いて柚希は別荘の中に戻って行った。


何か…また元気なかったな…。







それからは肝試しは中断して、みんな疲れがでたのかもう寝ることになった。