昼からは特にすることもなく、またみんなで海に行って遊んだりした。


そして夜。


お風呂に入ってご飯も食べ終わってまったりした午後8時。


外が暗くなってきた頃、柚希が言い出した。


「みんな、今から肝試しするわよ!」


『肝試し!?』


唐突のことでみんなの動きが止まる。


「肝試しするんですか、柚希さん!」


「するわよ?
なんのための合宿よ」


にやっとして笑う柚希は心底楽しそうな顔をしていた。


そんな柚希の提案に目を輝せてワクワクしてる風花。


たくっ。


いつかやると思ったよ。


夏と言えば夜。


夜と言えば幽霊。


幽霊と言えば肝試し。


ってな具合だろう。


「朝、私と綾音さんで森の奥に菜の花を4本置いて来たから、それを2人組で取ってくること。
ちょうど今日から恭真くんがいるから、あまる人わ出ないね。
懐中電灯は1組一本。
ついでに男女ペアで分けるから」


スラスラと進めていく柚希の説明を聞いた後、俺たちは外に出て綾音さんが作ったであろう、箱に入った紙を引いた。


「2番か・・・」


女の子は誰が2番なんだろ・・・。


「みんなくじ引いた?
じゃあ同じ番号の人とペアになって~」


「2番の人ー?」


「あら」


「・・・・」


薄々は一緒になるんじゃないかとは思ってたが・・・。


「まさか本当になるとはな・・・」


「私もびっくり。
まさか空くんと一緒になれるなんて!」


なぜか嬉しそうな顔をする。


「みんなペアの人は確認できた?
じゃあ、1番の人からどうぞ~!
ついでに、次の組は最初の組みが行った五分後に行くから」


柚希がそう言うと、楽しそうな風花と比べて静かな大地くん一番手ペアが森の中へ入って行った。


「風花ちゃんと大地くんか~。
風花ちゃんは怖いの好きみたいだけど、大地くんは怖くもなんともなさそうね」


「だな」


どうせ俺たちもそんなもんだと思うけどな・・・。