「えっと、私の弟の早乙女恭真です」


「よろしくお願いしまーす」


別荘に帰った後、一緒に帰ってきた少年を見て、綾音さんは驚いた顔をしていた。


「へー、綾音さん弟がいたんですね~」


「えぇ、まぁ・・・。
でもどうして恭ちゃんがここにいるのかしら?」


「いででででっ!
悪かったって!
姉貴が別荘に初めて客人連れてきたって聞いたからさ、どんな人たちなんだろうって気になってさー」


「なってさー、じゃないわよ!」


綾音さんの弟こと、恭真は頬を引っ張られながら怒られていた。


いつも優しい綾音さんだから、こんな怒ったところを見るのなんて初めてだ。


なんか新鮮だな・・・。


「まぁ俺、一日泊まるつもりなんで、よろしく!」


「よろしくって・・・あ、こら恭ちゃん!」


恭真は綾音さんから離れたとたん、走って別荘から出て海に向かった。


「もう・・・ごめんね、いきなり恭ちゃん来て・・・」


「いえ、大丈夫ですよ。
恭真くんいなかったら俺たち森からでれなかったかもしれないし」


「ありがとう。
まぁ悪い子じゃないから」


「はい」


こうして今日入れて二日間、綾音さんの弟の恭真と一緒に過ごすことになった。