そう思って来た道を帰ってるわけだが・・・。


「・・・空くん、私たちもしかして・・・」


「あぁ、残念なことに・・・道に迷ったみたいだ」


「・・・・」


まいったな、まさかこんなところで道に迷うなんて・・・。


昼になるまでに戻らないとさすがにまずいよな・・・。


そういえばさっきから歩きっぱなしだ。


真理奈何も言ってこないけど、疲れてるんじゃ・・・。


後ろを付いて来ていた真理奈に振り返る。


すると、真理奈は目に涙をためていた。


「ま、真理奈!?
何で泣いてるんだ!?」


「空くん、私たちこのまま戻れなかったらどうしましょう・・・」


涙を流しながら袖でぬぐっている。


目の前で女の子に泣かれたことのない俺はどうすればいいのかわからなかった。


どうしようと焦ったのも一瞬で、そうだひとまず落ち着こうと、俺は真理奈の手を取って握った。


「落ち着けって。
大丈夫、何があっても俺がちゃんと真理奈を別荘まで送ってみせるから」


「・・・空くん」


「だからもうちょっと歩いてみようぜ?
疲れたらちゃんと言えよ?」


「はい・・・ありがとうございます」


「ん」


涙が止まった真理奈の手を引いて俺たちはまた歩き始めた。


俺も随分と真理奈に素が出せるようになったようだ。


いままでは柚希にしか素を出さなかったのに・・・。


これも環境の変化ってやつなのかもな・・・。


握った真理奈の手はほんわか暖かかった。