青春部はじめました




「は~、いいお湯だった~!」


「ですね~。
あれ・・・何かいい匂いしません?」


「「「え?」」」


「哉斗、ライス皿に盛り付けてって。
大地くんは箸とコップとお茶出して」


後は俺が卵をこのライスの上に乗っけていけば・・・。


「な、何これ・・・」


後もうちょっとで晩ご飯が完成という所に、女性人が戻ってきた。


「あっもう上がってきたのか。
もう少し待ってくれ。
後もうちょっとでできるから」


呆然と立っている柚希たちをチラッと見て言う。


想像していた通り、柚希たちは驚いていた。


「よし、これで・・・。
完成!」


「おぉ、やったな、空!」


「やりましたね」


「なんとか丁度間に合ったな」


哉斗と大地くんとハイタッチを交わす。


そんな俺たちを見ていた女性人の中の一人、風花が完成してテーブルの上に置かれたオムライスを見て


「うわ~、すごいですね!」


と声を上げた!


それに釣られたかのようにみんなそれぞれ声を出す。


「すごっ!
これ三人が作ったの!?」


「よくできてるわね、見た目は」


「おいしそうです・・・」


席に座りながら感想を言っていく。


「まぁ、ほぼ空が作ったようなもんだけどな」


ははは、と苦笑いする哉斗は頬をポリポリとかいた。


「へぇ、空くんが?
そんな才能があったんだ?」


「才能ってほどでもねぇよ。
ただ人並みにできるだけ。
それに、俺だけの力じゃねぇし・・・。
哉斗と大地くんがいなかったらきっと、上がってくるまでに完成はできなかった」


「空・・・」


「・・・・」


「ま、無事にできたんならよかったじゃない!
ほら、冷めない内に食べよう!」


柚希の言葉でみんなオムライスに目を向ける。


そんなみんなに俺は


「ちょっと待った。
もう一品あるんだ」


と言ってキッチンに行き、戻ってきて柚希のオムライスの隣に置く。


「これ・・・スープ?」


俺が出したものを見て柚希が聞いた。


「そっ。
コンソメスープ。
オムライスだけじゃ少ないと思って、これも作っといた」


もちろん二人には内緒で。


次々と人数分のスープを出していく。


「空、スープまで作っていたのか・・・」


「僕気づきませんでした・・・」


2人は驚いた顔をしていた。


まぁ、言ってないからな・・・。


「じゃあ、揃ったことだし、いただきましょう」


綾音さんが仕切って、みんな手を合わせてから食べ始める。


「んっ、美味し~!」


「卵とろとろですね!」


「中のケチャップライスもいい味になってるわ」


「おかわりしたくなりますね」


女性人には好評がよかったようだ。


「やばっ、こんなうまい料理作ったの初めてかもしんねぇ!」


哉斗は手が止まらないらしく、ガツガツと勢いよく食べていた。


「やっぱり、二人とだったからこんな美味しく作れたんだろうな・・・」


大地くんも、小さく微笑んで嬉しそうに食べていた。


まぁ、最初包丁で指を切るわ、人参の皮がむけないわで、どうなることかと思ってたけど、美味しいのができてよかった。


みんなあっという間にオムライスを完食した。


コンソメスープも人気でよかった。