バスと電車、徒歩で約3時間。
ようやく
「着いたー!!」
目的地の別荘に着いた。
「わー、海が見えますねー」
歩いていくと、別荘の前にはキレイに光る青い海が見えてきた。
「すごーい!」
みんな結構テンションが上がってきたようだ。
電車では静かだったあの真理奈も、すごくうれしそうにしている。
「ねぇ、ちょうどお昼だしご飯にしない?
その後海で遊びましょ?」
そう言う綾音さんの意見にみんな賛成して、別荘に入ってさっそくご飯の準備を始めた。
「すごっ・・・。
さすがお金持ちの別荘ってこともあるな・・・」
しばらく使っていないと聞いたが、床もキッチンもピカピカになっている。
「昼ご飯は、カレーでいいよね?」
みんなコクりとうなずく。
綾音さんと真理奈が昼ご飯の準備をしてる間、俺たちは男子部屋と女子部屋に別れて、荷物を置きにいった。
ガチャっと二階にある一番左側の部屋の扉を回して押す。
「「おぉー!!」」
俺たち男子の第一一言がこれだった。
「広っ!!
これ20畳ぐらいはあるんじゃないのか!?」
中に入った哉斗が両手を広げなからはしゃいでいた。
それを俺と大地くんは軽く流して、すみの方に荷物を置く。
「あ、窓開けてもいいですか?」
荷物を置くと、反対側にある大きい窓に気づいたのか、大地くんか聞いてきた。
「うん、いいよ」
それに答える俺。
すると大地くんは、真ん中の床一面に大の字になって寝そべっている哉斗をまたいで、窓に近づいていった。
カシャンっとカギを下げて開ける。
「わっ」
開けると同時に、強い風が吹いた。
「大丈夫、大地くん!?」
「はい、少し驚いただけです」
いつもと変わらない無表情で言われる。
「そ、そっか」
こう答えるしかなかった。
「それにしても、前は海で、後は森って、すごい自然で豊かなところだよな」
さっきまで寝そべっていた哉斗が、よっと起き上がり、言った。
「そうだな、ここはすごくいい所だと思う」
海はキレイだし、鳥の鳴き声も聞こえるし、本当に素敵な所だと思った。
「おーい、ご飯できたよー」
下から柚希が呼んでいる。
「ご飯、食べに行こう」
部室よりくつろいでる二人に呼び掛け、俺たちは部屋から出て、下へ向かった。



