バスから電車に乗り替えて目的地の場所へ向かう。


「それにしても、綾音ちゃんのとこの別荘が使えてすごくラッキーだよ!
宿代も減るしね。
ありがとう!」


「ふふふ、いいのよ。
今から行く別荘は最近使ってなかった所だから、反対に使って貰えると助かるわ」


にっこりと答える綾音さん。


さすがお金持ちですね…。


「楽しみだな~。
それにしても…真理奈ちゃんどうしたの?
さっきから何だか元気無いみたいだけど…」


俺の隣に座っている柚希が、俺の前に座っている真理奈に首をかしげながら話しかけた。


「な、何でもないです。
ちょっと早起きし過ぎて眠いのかも…」


「そっか、柚希ちゃんも早起きか~。
寝ててもいいよ?
着くの後1時間後だし」


「いえ、大丈夫です」

にこっと笑う真理奈は、一瞬チラッと俺の方を向いて目が合うと、困った顔をしながらまた苦笑いをした。


何だろ…。


どうして真理奈困った顔するんだ?


聞こうにも、この賑やかな空気の中、聞ける雰囲気じゃない。


と言っても、賑やかなのはこっち側だけで、風花や哉斗がいる席は静かだ。


と言うのも、大地くんはいつもの通りゲーム。


風花はバスに酔ってぐったりしてる。


そんな二人と一緒にいる哉斗はこっちを羨ましそうに見ていた。


まぁ、これもジャンケンの運さ…。


真理奈はまた黙っちゃうし…。


機会がある時に聞くか…。