「あ、空くん」
「よっ」
すでにバス停に来ていた真理奈に片手を上げて久しぶりと言う。
と言っても昨日ぶりだが。
「みんなはまだ?」
「はい、空くん早いんですね」
「まぁ、俺は根本的に5分前行動する方だから」
「そうなんですか」
「真理奈こそ早いね。
まだ集合時間の10分前だよ?」
「えっと・・・私は楽しみで早く起きちゃって・・・。
じっとしていられなくて、早めに家から出て来ちゃったんです」
恥ずかしそうにへへと笑う。
「そっか。
真理奈も楽しみなんだな」
柚希と一緒だ。
「私もってことは、空くんもですか?」
「いや、俺じゃなくて柚希だよ。
朝早くから電話してきてさ、今ちょっと眠いんだよ」
「そ、そうですか・・・」
「・・・・?」
真理奈は何故か苦笑いをした。
なんか俺、変なこと言った?
「・・・あ、みなさん来たみたいですよ」
話をそらすように、慌てて俺の後ろを見て言う。
俺も振り返って見ると、全員楽しそうにこちらに歩いて来ていた。
「あ、空くん、真理奈ちゃん!」
俺たちに気付いた柚希が、手を振る。
「もう来てたんだね」
「まぁな」
「そろそろバスが来るみたいですよ」
風花に言われ、俺たちはすぐ近くまで来たバスを見ながら待って、荷物を持って乗り込んだ。