あれから月日は進んで、気づけばもう6月。
花見をしたあの頃が懐かしい…。
そして俺たちはというと…。
「あー、もうそろそろ球技大会だなー」
「そうですね~。
そういえばみなさん、何するか決まったんですか?」
なんて会話をしながらお菓子を食べている。
いや、1人ゲームしてる人がいるけど…。
「そういえばこの学校っていろいろ種目があるんですね」
「そうね。
バスケにサッカー、ソフトボールにバレー。
あとバドミントンなんてのもあったかしら」
「豊富ですね~。
今から楽しみです!」
ポテチを食べながら、風花ははしゃいでいた。
そういえば風花と大地くんは一年生だから、この球技大会は初めてするのか。
俺は去年バレーしたなー。
まぁ、先輩のアタックが顔面に直撃して、楽しむどころじゃなかったけど…。
「綾音さん、オススメのところってどこですか?」
「そうね~。
風花ちゃんならバドミントンとかどう?」
「バドミントンですか~、楽しそうですね!」
「ついでに俺は、サッカーするから」
「哉斗くんはサッカーですか~」
「ま、一応サッカー部なんで」
あ、そっか。
哉斗はサッカーと青春部を掛け持ちしてるんだっけ?
この前初めて聞いたけど、ホント何でこの部にも入ったんだろ…。
サッカーもやってて、友達も多いみたいだし、一番充実してると思うんだけど…。
「あの、空くんは何するかもう決めてあるんですか…?」
「え?」
哉斗のことを考えていたところに、いきなり真理奈に話かけられ少しびっくりした。
そんな俺を見て、真理奈は小さく首をかしげる。
あー、もう。
哉斗のことなんてどうでもいいのに、何でこんな考えてんだろ。
俺は考えていた思いをそこらへんに捨てて、真理奈との会話に集中させた。
「まだだよ。
今年は何しようか迷ってて…」
「そうなんですか…。
私と一緒ですね」
照れながらクスッと笑う真理奈。
ぐおおぉぉぉ!!
「…空くん、どうしたんですか?」
「いや、なんでもない!
うん!
あ、真理奈はやりたいのって何!?」
「私ですか?
私は…う~ん…」
俺が聞いた質問に、真理奈は考え混んでしまった。
はぁ、それにしても…。
さっきのは一体何だ!?
異様に真理奈がキラキラして見えた。
しかも一瞬だったけど、心臓がギュッて縮まるみたいに痛かった。
何これ!?
あぁー!!
…でもさっきの真理奈は可愛かっ…。
………。
いやいや、真理奈はいつもふんわりしてて可愛いです!
何故か自分に言い聞かせるように、強くそう納得させた。
「やりたもの…。
あっ、私バレーがしてみたいです」
「バレー?」
「はい」
へー、確かにそれは合ってるかも…。
…でもバレーって、一番チームワークがいる、競技じゃないか?
バスケとか、サッカーって別に一人で坦々と行ってもいいし…。
真理奈って人見知りだったよな…。
大丈夫なのか?
「真理奈、バレーできるの?」
「はい!
中学の時、バレー部でしたから!」
「へ、へー…」
マジか!
じゃあ心配ご無用って感じじゃん…。
「あ、でも…。
中学の時と違って、今のクラスの人とあまり馴染めてないので心配です…」
あー、そうだよな…。
それを何とかしない限りどうにもならないよな…。