「で、結構出たんだけど、何かピーンとくるものはあった?」
まるでエヴァン〇〇オンに出てくる碇司令のような格好でみんなに聞く。
「なんかどれもいまいちなんだよなー」
「こう、もっとあたし達らしいのがいいかな~って感じですよね」
「それに大半私たちだけじゃ作れないのが多いですし・・・」
「大きいのや細かいのを作ってたら卒業までには間に合わないですしね・・・」
みんなの言い分はもっともだった。
俺たちが出した案はほとんどが自分たちじゃ作れないもの。
それを除いたとしても、予算が高すぎたり、時間内に作れる物がない。
部費は全部で3万。
そんなにないから高い材料とかは買えない。
何を作ればいいのか本当にわからない。
「まあ、1個は寄せ書きで、もう1個は花束。
あともう1個みんなで作った何かを思い出にしてあげたいな・・・」
はぁとため息を漏らす柚希。
けど俺はさっきの言葉でピーンと来た。
「あのさ、アルバムとかどう?」
俺が提案したのはアルバム。
みんなや綾音さんが写ってる写真をアルバムにして渡す。
そうすれば思い出にも残るし、開いた時こんなこともあったねって思い出せて楽しいと思う。
「アルバムかー・・・。
うん、いいんじゃない!」
「あたしもいいと思います!」
みんなうんうんと納得したように笑顔になって首を縦に振った。
「でも写真はどこから手にいれようか?」
「あっ、俺合宿の時と祭りの時、クリスマスの時の写真持ってる!」
「他には先生たちからもらえばいいんじゃないですか?
体育祭とか文化祭の写真あると思います」
「そうね・・・。
じゃあみんなアルバムでいい!?」
『さんせーい!』
案がまとまったところで、今日はもう解散することにした。
明日から、徹底的に写真を集めることになった。



