あれから特に呼び出しもなく、クリスマス当日。
『メリークリスマスッ!』
頭にサンタ帽子をかぶった柚希と風花と綾音さんと真理奈が一斉にクラッカーを鳴らす。
「今年はホワイトクリスマスだね」
「そうね。まさか今日降るとは思わなかったわ」
「寒い・・・」
「すごい料理の数ですね!」
「・・・本当に良かったんですか?空くん」
「ん?
あぁ、親の許可は取ってる」
「じゃあ、ありがたく使わせてもらいましょ!」
25日のクリスマス。
クリスマスパーティー会場は俺の家だった。
ま、さすがにこれは柚希が提案したことではない。
俺が気軽に親に聞いたところ、あっさりと了解してくれた。
料理は母さんが作ってくれていて、俺の両親は弟と一緒に一日中どこか出かけてくると家を空けてくれた。
「空くん家の料理おいしー!」
「そうか、良かった」
みんな美味しそうに食べたり飲んだりして、楽しそうでよかった。
「空くーん、チューハイないんですか~?」
紙コップを上げて言う風花。
「俺たちまだ未成年だ。
あるわけ無いだろ」
「え~、今日みたいな特別な日はちょっとでもいいじゃないですか~」
「飲むんなら家で飲め」
「む~、ケチ~」
「ケチじゃない」
まるで子供みたいに甘えたてくる風花を軽くあしらいながら、俺はカラになった皿を片付けにキッチンに向かう。
するとそこには丁寧に皿を洗っている真理奈がいた。
「真理奈!?
別に置いといてくれても構わなかったのに・・・」
「いえ、私洗い物は得意なので」
にっこりと笑う真理奈に、
「そうか?
ありがとな」
俺も笑って皿を洗う真理奈の手伝いをすることにした。
主に皿拭きだけど。



