青春部はじめました



次の日。


俺は柚希の家に行く準備をして家を出た。


一応自分の筆箱と宿題を持って。


自転車にまたがって柚希の家へと目指す。


そういえば、柚希の家に行くのはこれが三度目だ。


女子の家に行くなんてこと、今までなかったから最初の方は妙に緊張してたけど、三回目ともなれば慣れたもんだな。


迷うことなく、柚希の家に着いた。


夏に来た時は庭一面花だらけだったけど、冬となれば雪ぐらいしか見当たらない。


真理奈もう来てるかな。


慣れたように家のチャイムを押す。


すると、はーいと声が聞こえ、扉が開いた。


出てきたのは、初めて会った時俺を見ておどおどとしていた柚希の妹、すみれちゃんだった。


「あっ!この前のお兄ちゃん!」


俺のことを覚えていたらしく、すみれちゃんは満面の笑顔をして招いてくれた。


この子は柚希の妹にはもったいないほどに可愛い。


「柚希ちゃんお部屋にいるよ!
お兄ちゃん来たら部屋まで連れてきてって頼まれてるの!」


「そっか、すみれちゃんはいい子だな」


「へへへ♪」


俺の手を引いて柚希の部屋まで案内してくれるすみれちゃん。


柚希の部屋の前まで来ると、すみれちゃんは


「お兄ちゃん、またね」


と笑顔で手を振ってくれる。


それが可愛くて


「ありがとう」


優しく頭を撫でた。


すみれちゃんは


「ふふふ♪」


と笑って嬉しそうだった。


さて、癒しの時間は終わりだ。


扉に向き直ってゆっくりと開ける。


中にはすでに柚希と真理奈がいて、宿題をしていた。