次の日、本当に柚希は学校にやって来た。
「みんな、久しぶり・・・」
「・・・!?
柚希さん!」
部室に顔を出しに来た柚希に、みんなの目線がいき、注目を浴びる。
「今まで何してたんですか!?
ずっと心配してたんですよ!?」
柚希に一番に駆け寄った風花が泣きそうな顔で声を上げる。
いや、もう泣いていた。
「ごめんね、心配させちゃって。
もう大丈夫だから」
よしよしと風花を抱き寄せて背中を撫でる様子はまるで子供をあやしているお母さんみたいだった。
みんなも笑顔で柚希の元に寄って向かえていた。
「さて、部長だった私が今日やっと復活したわけだけど、私がいない間何もなかった?」
いつもの席に座ってみんなに確認する。
『何もなかった』
みんなは口を揃えてそう言った。
「そう、なら良かった」
一息ついて綾音さんが入れてくれたお茶を飲む。
実際柚希が部活に来なかった間、俺たちはすることもなかったと言うか、柚希のことが心配で何もする気が起きなかった。
「みんなにはたくさん心配かけたと思ってる。
本当にごめんなさい・・・。
でもなにがあったかは聞かないで欲しいの。
こういうのもあれなんだけど・・・」
申し訳なさそうな顔をする柚希に
「いいですよ。
私たちも何があったかは気になりますけど、無理には聞きません」
そう言ったのは風花だった。
みんなも首を縦に振って同意する。
ホント、とことん柚希はみんなに愛されてるな。
「ありがとう、みんな」
潤んだ目でみんなに軽く頭を下げて微笑む。
これで部室に来るようになるだろう。