夜?


さすがのみんなも、驚いた顔をしていた。


「え、本当に夜にするんですか?」


「うん。
だって夕方にするんなら夜の方がキレイじゃない?
それにお弁当やおやつも持って来れるし」


確かに。


今から行ったんじゃ、何も準備してないから桜だけ見ることになる。


そんなの何しに行ったんだって言われるようなもんだ。


まぁ、おかしなら風花がいっぱいもってるだろうけど。


「で、みんな行ける?」


「俺は問題ないよ~」


「僕も」


「私も」


「あたしも~」


「私も大丈夫です…」


「そう。
で、空くんは?」


「え?
あぁー…」


みんな行くのに、俺だけ行かないわけにはいかないだろう。


「行くよ」


「じゃ、みんな行くってことでOKね。
7時に北見公園へ集合。
要るものは各自自分で持ってきて。
じゃ、今日はもう解散!」


夜に向けてみんな今日は帰ることにした。


ぞろぞろと部室から出るなか、俺も出ようとすると、誰かに服を掴まれた。


「ん?」


振り返って確認すると、そこにいたのは…。


「あ、あの…」


もじもじとしている真理奈だった。


「どうたの?」


「えっと…。
少し付き合ってくれませんか…?」


「え…?」