ライラックをあなたに…



「ねぇ、知ってる~?」

「聞いた聞いた、あれでしょ?鷹見さんの結婚」

「そうそう」

「あれって本当なの?」

「う~ん、そうみたいね…」

「マジで?」

「う~ん。さっき、リノベ課の江木さんがボヤいてたもん」

「うそ~~っ!!やだ、凄いショック~」



気落ちしてる購買部の女子社員。


そんな彼女らを見ていると、本当に侑弥さんは『高嶺の花』なんだと実感する。


それと、彼女らに対して後ろめたいと思う罪悪感と、そんな彼の心を射止めた優越感で、何とも言えない複雑な心境。



彼女らに背中を向けて、ため息が零れる。


彼の相手が私だと知れたら、きっとこの場所も居づらくなるんだろうなぁ。


そんな風に思いながら、ロッカーの扉をパタンと閉めた時だった。

購買部の女の子の1人が、思わぬ事を口にした。



「鷹見さん、やめないよね?」

「……う~ん」



……やめる?