ライラックをあなたに…



その晩、父親が出張帰りで早めに帰宅した。


久しぶりに親子3人で酒を酌み交わす。

父親の好きな日本酒を手土産に帰省して正解だったようだ。


見ない間に父親の白髪がまた増えたように感じた。

もしかして、私が原因で増えてしまったのかしら?

そう思うと、胸の奥が酷く痛んだ。



「学校はどうだ?……順調か?」

「うん、楽しいし、今のところ順調。実技演習も全てクリアしてるし」

「……そうか」


ちょっと前までは、こんな風に世間話するような父親じゃ無かったのに、あの一件以来、口数が大分増えたように思う。


いつでも威厳のある父親だった。

父親が口を開く時は躾を諭す時と叱る時、それと試験日前夜に励ましてくれる時ぐらいだった。


だからこそ余計に、胸の奥が締め付けられるように苦しくなる。

父親をここまで変えてしまったのは……私だ。


でも変な意味でなく、接しやすくなった父親にほんの少し安堵する私がいる。




夜も更け始め、そろそろお開きにしようかと思ったその時。

不意に父親が1枚の写真をテーブルの上に置いた。