中は暗くて、

空気がひんやりとしていた。


「あ!」


ユイはその一言を言って、

俺の手を離した。


こんな状況で手離すなよ~!!


そんなことを考えていたが、

何もなかったかのように

ユイはまた俺の手を握り返した。


「ユイ、どうしたの?」


「ん?何でもないよ?」


少し気になったが、

今はそれどころではない。


一刻も早く

ここを脱出せねば。


お化けたちが登場するたびに

本当に心臓が飛び出そうなくらい

驚いていた。


だけど、

ここで驚いたら

ユイにもっとからかわれる。


これ以上からかわれないためにも、

今は我慢するしかない


と、俺は必死に耐えていた。


「きゃ~!!
怖いよ~!!」


からかわれてるのは

悔しかったけど、

ユイのその反応が

すっごく可愛くて許してしまう俺がいた。