ルクの声に、

いつもの元気の良さはなかった。


家族はルクに背を向けて

歩き出した。


「ねぇ!行かないでよ!!
私も連れてってよ!!」


ルクは泣きながら

叫んだ。



ルクの兄が一度

振り向いて、


「お前はまだやることがある。
また、話聞かせてな?」


そう言うと、

ルクの兄は

一度だけ微笑み、

またルクに背を向けて

行ってしまった。



-


そこで夢は途絶えた。



「おはよう。
私の手をずっと握ってたけど、
私の知り合いかな……?」


ルクは、

そう質問された。


ルクに質問したのは………


ルクの頭を

優しくなでていた人………


「ユイさんっ!!!!」



ルクはユイに飛びついた。


「どうしたの!?」


ユイは状況がつかめず

戸惑っていた。