「取り敢えず…俺の部屋は此処だから、小野原は好きな部屋を使ってくれ。少ししたら小野原のアパートに行って荷物運ぶからな」


そう言いながら〔俺の部屋〕に入って行ってしまった若社長。
最上階ワンフロア丸ごと若社長の家だから、部屋数も多いが部屋の広さも中々だ。


私は、リビングに面した部屋の中で、若社長の部屋から一番遠い部屋をチョイスした。


扉を開けると、家具は何もなく、若草色の毛足の長い絨毯が敷かれていただけだった。


本当に社長に突然命令されたのかも…事前に仕組まれたものだったら、何かしら家具は用意してくれるだろうし…


私、本当に若社長と同棲するの?本当に同棲しなきゃいけないの?
てか、此処から通勤て、何時起きすれば間に合うんだろう?