「あのね美奈…?実はね、私ね、あの時…逃げたんじゃないんだよ。こわかったから避難したんだよ。私はそんなに弱くないから…」
何を言い出すかとおもえば…
逃げたんでしょ?
そんな言い訳して、
結局逃げてんじゃん!
「はあ?逃げたじゃん!どうして助け呼んでくれなかった?私!私ね、あのあとねイッちゃったんだよ?なのに、なんで平気でいられるの?あんたが助けないから、あんたのせいで私は!汚い女呼ばわりさせれたの!」
こんなに話す自分がいた。
きっと蘭は
いじめられているのだろう。
だから、
私に助けを求めにきたのだろう。
けど、
私は助けない。
こんな奴、
もう、
友達じゃないから。
「私ね、いじめられてる…私知ってたよ?美奈が私の代わりにいじめられてること。」
はあ?
じゃあ、なんで助けない?
責任感ないの?
そう言いたかった。
蘭が話を続けた。
「私ね、美奈が嫌いだった。けど、、、
たすけて!」
無理に決まってる。
あんたみたいな裏切り者…
「そのへんにしとけや。蘭だっけ?お前、自分のせいで美奈がひどいめにあったってわかってるか?自分が辛いときだけ助けてもらうなんて都合よすぎる。自分で立ち向かえよ。」
和哉はそう言って去った。
私も和哉についていった。
後ろで蘭が泣いているのがわかる。
けど振り向いちゃいけない。
それ以来、
蘭と会うことはなくなった。