曇天の下、黄色く色づいたイチョウが散り始め、茶色っぽいバレッタで白髪混じりの髪を後ろにゆるくまとめた古本屋のおばさんがそれをせっせと掃いている。
私は自転車を颯爽と走らせて、落ち葉を巻き上げて行く。


学校に着くと、頭の中で退学の理由をあれこれ練りながら薄暗い廊下を足を引きずるようにしてゆっくりと歩いて行った。

何だか囚人にでもなったみたいな気分だ。

いざ人文学部教務課窓口の前まで来ると、頭は真っ白で手は震えていた。

『あの、すみません』

震える声で辛うじて担当者を呼び、退学したい旨を伝えた。

担当の女性はまず、休学という方法もあると私を説得しようとした。
そんなことしたって、何の解決にもならない。

休学している間にも、学費は吸い取られて行くのだろう。
うちにそんな余裕はない。