11月になって、
雲行きがますます怪しくなり始めた。
お巡りが頻繁に家を廻っては、
何か変わったことはないかと
訪ねて来るようになった。
新聞やニュースでは、
イタリアやスペインとの不仲が
連日報道されている。
「国の戦略ではない」
「宣教師の目的は、あくまで布教である」
と二国とも言い張っているという。
それに対して日本側は、
「文化を尊重することは当然のことであるが、
彼らはそれを無視した。
国は彼らの活動を禁止すべきなのに、
禁止していない、おかしい」
と言っている。
ピンと張り詰めた空気、
延々と続く争論。



