通勤通学の人々がちらほら出てきた通りを
1人だけ家に向かって、力なく歩く。
そこには憎い程に、
いつもと変わらぬ日常がある。

周りと自分がちぐはぐで、
ここがどこなのか、
自分が誰なのか、
一瞬分からなくなった。


家に着くと、裏口から入った。
おんぼろドアが大きな音を
立てるもんだから、
お母さんが気付いて
台所から顔を覗かせた。
不意を付かれたという顔をしている。
ものすごく気まずい空気…

「おかえり」

『うん…』

お父さんは新聞を読んでいて、
(眺めてるだけだろうけど)
ちらっとも振り向かなかった。


私はもぬけの殻状態で、
力なく自分の部屋へ向かった。