私は歯磨きと洗顔を済ませ
洗面台の水気を拭き取ると、
服をさっと着替えて、
先に支度を終えたリカルドの元へ行った。


時間は無残にも、
刻々と過ぎて行く。


『私たち、また会えるかな?』


悲痛な思いがどっと込み上げて来て、
涙を堪え切れなくなった。

彼はそんな私を軽く抱き寄せて、
静かに言った。


「きっと、また会えるよ。
こんな暗くて閉鎖的な時代が終わったら、
また会いに来る。
必ず、迎えに来るよ」


そして、しばらく見つめ合った。