『イヤだ、イヤだよ...
こんなのひど過ぎる!』

私はその紙を放り捨てて、
泣きじゃくった。

彼はそんな私を抱きしめて、
宥(なだ)めるように背中をさすった。


行き場のない憤り。
悲しいから泣くのではなく、
悔し泣き。


しばらくそうして感情に身を任せて
泣いていた。

段々落ち着いて来て、
顔を上げて彼を見た。
彼の目には光も力もなかった。


『私も一緒に連れてって』

決して冗談なんかではなく、
もちろん真剣に考えていた

「ダメだよ、アモーレ。
僕たちは敵同士なんだ...」

『私たちは違う!
憎み合ってなんかないもん』

彼はゆっくり、弱々しく首を振った。
どうにもならない現実が、
私たちの間に立ちはだかる。