お母さんが彼を手伝おうと、キッチンに入った。
彼はそれを見てとった。

「お母さんもカナエも、
今日は何もしないで休んでていいですよ。
今日のディナーはボクがしますから」

「あら、そう?
それじゃー、お願いするよ?」


というわけで、
お母さんはキッチンから退場。
彼女は、リカルドが買って来てくれた花を持って出て行った。

リビングには、私と彼の2人きり。
彼はキッチンから出て来て、
バッグから何かを取り出した。


「これ、キミに書いたんだ」

彼は白い封筒を差し出して来た。


『ありがとう』

彼は微笑んで、またキッチンの方へ戻って行った。