『リカルドは違う。
リカルドは悪い人なんかじゃない!』

半ば、自分に言い聞かせるように
何度も言った。

蒸し暑くて、汗が額を伝って来た。
あんなにうるさかったセミも、
いつの間にか鳴き止んで静かになった。

私は扇風機のスイッチをカチッっと入れた。
扇風機がブーンと音を立てて回る。
虚しく感じる。



しばらくして、
お風呂に入りに下へ下りたら、
お父さんはまだ、
テレビにへばりついていた。

ブラウン管の中では、
女の人や男の人がインタビューに答えていた。

「治安の安定のためにも、
追放措置をとるべきですよ」
「安心して暮らせんですよ」

まだこの話してたんだ…
コードをひっこ抜いてテレビを
ぶっ飛ばしてやりたくくなった。