気付けば、式は終盤を迎えていた。
式が終わってその帰り道、
図書館の前を通ると、
もうそこにはあの宣教師はいなかった。

当然か。
いつまでも同じ場所にいるわけないか。


「そげん野蛮人」

頭の中で、
宣教師を罵倒する男の言葉が繰り返される。


他所(よそ)から来たキリシタンを
良く思わない者が、
彼らを野蛮人と罵る理由の一つは、
ポルトガル人がアフリカを植民地化し、
その地の黒人を奴隷として売買していた話や、
大勢の貧しい中国人や日本人を
アルゼンチンやメキシコ、アメリカに
売り飛ばしていたという話だ。

けれど、これは昔の話だ。