入学式会場に着いて、
席まで案内されると
幾分か落ち着いた。

これから学びを共にするであろう
人たちが、続々とやって来た。

式が始まると、
朝の出来事は忘れていた。
校長の話など耳に入らず、
私は将来の自分を想像していた。


社会に出て仕事をしている自分、
リカルドと夫婦になった自分。
もし子供が出来たとしたら、
どんな子だろう?

自分の両親とは違って、
温かい家庭を築きたい。


「あと2、3年したら」

彼はそう言った。
あと2、3年...

愛を知っている者が皆そうするように、
私は愛と希望に満ちた未来を信じていた。