振り返ると、さっきの宣教師が地面に
倒れていて、3、4人の男たちが彼から
離れて行くところだった。


『大丈夫ですか?!』


私は急いで彼の方へ引き返して、
彼に手を貸そうとした。
それに気付いた男の1人がこっちを振り返った。

「おい、何しよっとか?
そげん野蛮人、放っておけよ!」

その男がそう言うと、
他の男たちも振り返って、
私を責めるような目で見た。


宣教師を見ると、
土を払って立ち上がろうと
しているところだった。

私は彼から目を逸らし、
後ろ髪を引かれる思いでそこから立ち去った。


恐かった。

他人の目が恐かったのか、
それとも宣教師が恐かったのかは
自分でも分からない。
よく分からないけど、恐かった。


※そげん→そんな