「そろそろ、帰ったほうがよさそうだな」

彼は時計を見て言った。
もうすぐ10時。

「送るよ」

私たちは、元来た道を引き返した。


彼と別れてハグをして家に入ると、
お母さんは疲れて寝ていた。

私はお母さんが起きてしまわないよに、
静かに自分の部屋へ行き、
婚約指輪を仕舞った。

お風呂に入りに下へ戻ると、
お父さんが自分の部屋から出て来た。


「遅くなったけど、卒業おめでとう」

私はただ、
『うん...』とだけ言った。



上手く行っている夫婦は、
世界中でどれぐらいいるだろう?
きっと少ないと思う。

もしリカルドと結婚するとなると、
ハードルは高い。