「もちろん、今すぐにとは言わない。
でも、いつか結婚しよう?」

もちろん、嬉しかった。
彼と結婚できるなら、
これほど嬉しいことはない。


『私たち、上手く行くかな?』

私は頭の片隅で、
お母さんたちのことを思い浮かべていた。


「きっと、上手く行くと思う」

彼は婚約指輪が入った小さな箱を、
私の手に握らせた。


「キミはまだ、
ワインも飲めないくらい若すぎる」

彼はそう言って笑った。

「結婚するには早すぎる。
でも、あと2、3年したら結婚したい。
その頃にはボクも、
落ち着いてるだろうから」

私は頷いて見せた。