私はカードを仕舞いに、
2階の自分の部屋へ行った。

部屋は薄暗かった。

カードを机の中に大事に仕舞うと、
電気もつけずにイスに座って
何をするでもなく、
ただボーッと考え事をした。


4月から始まる大学生活、
リカルドとのこれから。
未来は可能性で満ちていた。



どのくらい、そうしていただろう?


「華那恵~、出来たよ!」

下からお母さんが呼ぶ声がして
気が付けば、窓の外はすっかり暗くなって、
部屋も真っ暗だった。

時計を見ると、もう6時を回っていた。


『はぁ~』

私は幸福の溜息を吐いて、
階下へ下りて行った。