ズルい……って、どういうことよ!なん
て思いながら、私も負けじと、萌をキッ
と睨み付ける。



「いいから!ズルいもなにもないの!こ
れは学級委員命令よ!」



ビシッと指差してそう言うと、むーっと
萌が頬を膨らました。



「学級委員命令とか、なにそれー。そう
やって権限振りかざすのは、よくないよ
!」


「……う、うっさい!もう!先行ってる
から!」



今回ばかりは萌の言い分が正しくて、何
も言い返せず、結局選んだのは逃げの選
択。



だけど、キスマークをつけられた、って
暴露するよりかは、いくらかマシだった




―――もう。

萌のせいで、さっきからドキドキが止ま
ってくれない。



それにずっと、脳裏に香坂の顔がちらつ
いて。