ゴホン、とわざとらしい咳払いをして、
萌に向き直る。



「私、不思議で仕方ないんだよ!だって
あんな皮膚に噛みついて、傷つけて、ど
う見たって嫌がらせだよね?」



そう言うと、萌はやっぱりぱちくりと瞬
いてから、プッと吹き出した。



「プッ……。やっぱり希美サイコー!て
いうか可愛いっ!」


「え、萌!?」



ガバッと抱きついてきた萌に、慌てて萌
を受け止める。



「やっぱり純情な希美が一番良いよね!
初々しくて笑えるわ!」



あはは、と私のお腹の辺りで笑ってる萌




……んーと、私、馬鹿にされてる?



萌はひとしきり笑い終えると、『お腹イ
ターイ』なんて言いながら私から離れて
、笑いすぎで目元に浮かんだ涙を指で掬
った。